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Kaoru Saito's Column Kaoru Saito's Column

Kaoru Saito's Column

ー 第1章 ー
コロナ禍2年目、
心が動かなくなっている今、
あなたも忘れかけていないか。
希望と言う感情を。

自分が生きている時代に、 こんなことが起きるなんて!きっと去年はそんなふうに思っていたはず。 それが今は、 この異常な時代に良くも悪くも慣れてきてしまっている。 マスクを外せないことにも、 旅や会食ができないことにも、 諦めのような気持ちが生まれ、あるいは未来に希望を見出そうと言う気持ちさえ、萎えてきているのではないだろうか。
つまり、 去年の方が失望も不安も不満も大きかったから、 早くそこから抜け出そうと言うエネルギーも体の中で渦巻いていた。 抜け出したらこうしよう、 ああしようと言う夢が次々に生まれた。 でも今、 収束の時をイメージしても、心があまりワクワクしないのだ。

ただ、 そんなふうに心が動かなくなっている中、 偶然か必然か日本で行われたオリパラ2020 。そこで私たちが目撃したものは、 停滞した心を大きく揺さぶった。 例えば、 人生の途中で重い障害を負って、 絶望の淵に立たされ、 でも何かのきっかけで競技と出会い、 そこに希望の光を見て、 努力して努力してついにメダルを取って輝くような笑顔を見せたアスリートたち。 その姿には、 衝撃を覚えたはずなのだ。 勢い、 自分がその立場だったらどうしただろうと考えた人も少なくなかったはず。 そして、 そういう失望の中で希望を見い出すのに、 一体どれだけのエネルギーが必要だったか、 想像もつかないことに茫然としたはずなのだ。 でも同時に、 希望という感情の凄まじいパワーにも改めて気づいたかもしれない。 希望とは、ほとんど「生きること」に等しいのだという……。「生きる希望」という成句があるが、まさに希望は、 生きるためのパワーに他ならないのだと。

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そういえば忘れていた。 まだまだ長引きそうなコロナ禍に、 すっかり忘れかけていた希望という感情。 いつも身近にあるようでいて、 実はきちんと呼び起こさないと生まれてこないもの。 しかもその希望には、 とてつもない力が備わっていることを、 今回思い出させてくれたのだ。

『不幸を治す薬は、ただもう希望よりほかにない』シェイクスピアの言葉である。「不幸」の反対語は「幸福」だと思っていたけれど、現実はそう単純ではない。 心の仕組みはもう少し複雑。 自分が仮に、少しでも不幸だと感じている時に、いきなり幸せを探しても、 ただ虚しいだけ。 不幸のすぐ側に、 幸福は見当たらないからだ。 不幸感を感じたら、 まずすべきことは、 心に希望を抱くこと。 どんな小さな事でも良い。 希望の小さな光を心の中に灯すことなのだ。 それを手がかりに、 幸せのほうに向かって歩いていく、 そのプロセスが大切なのだ。 そう考えると、 不幸感を幸福感に変えることは、 それほど難しことではなくなる。 小さな希望を胸に抱けば良いのだから。

逆に言えば、 希望の反対語も、 絶望ばかりではない。 絶望や失望は、 一過性のものだから。 もっと何が原因かわからない日々の小さな不幸感、 毎日1ミリの不幸感がどんどんオリのように溜まっていって次第に心が重たくなっていく、まさに今のこのコロナ禍2年目のような状態から抜け出す手段も、 また小さな希望に他ならないのだ。

小さな希望の火を灯す……とても単純に、 何か新しい習い事を始めたり、 新たなコミュニティ ーに参加したり、 また部屋の模様替えをしたり、 そして状況が許せば旅の計画を練ったり、 いやそう思い立つだけでも、 火は灯る。 長いトン ネルの中にいる今だから必要な、 生きるための火、 今日……今ここで灯してみて欲しい。 命の中で、 静かに力が湧いてくるはずだから。

Kaoru Saito Kaoru Saito

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