Kaoru Saito’s Column

FULLMOON

2023年8月 水瓶座の満月🌕

人には2種類しかいない?
与える人と、奪う人と。
あなたは一体どちらだろう。

●みんなを元気にしてあげると言って、
疲れさせる人

会った後は、いつも幸せな気持ちになる相手と、逆に不愉快になる相手がいるのは、人間同士当然のこと。さらに言うなら、話をした後に、何だか元気がもらえる相手と、反対に疲れさせられる相手がいるはずだ。
以前こんなことがあった。
「みんな元気がないわね。私が元気をあげる。エネルギーを注入してあげるからね」とある女性に小一時間話を聞かされた。帰り道、その話を聞いた誰もが、どんより疲れていることに気がついたのだ。
確かに人の話を集中して聞くというのは、話をする側よりもむしろ疲れてしまうことが少なくない。それに加えて、その女性は明らかに私たちからエネルギーを奪っていた。元気にしてあげると言っていた人が、逆に私たちから元気を吸い取っていた。そして、みんな少しずつネガティブな気持ちになっていたのだ。
確かにその人はエネルギッシュだった。でも話の多くは、自慢話。気がつくと、説教めいた話にもなっていた。たぶん本人に悪気はなく、私たちに何かを必死に与えているつもりなのだろう。でも受け手の方は、どんどん気持ちが下向きになっていた。心身ともに 激しく消耗していたのである。


●自分を犠牲にしてまで与える人
賞賛も注目も、奪っていく人

人間には2種類いると言う。「与える人」と「奪う人」の2種類が。与える人は、どこかで自分を犠牲にしてまで人に与えるというタイプ。それは具体的に相手のために何かをしてあげたり、当たり前のように気持ちの上で相手に心地よさや幸福感を与えてあげたり。どちらにせよ見返りを求めずに与えることができる人なのだ。
一方、奪う人は、話題の多くを自分の話にすり替えてしまう人、手柄の多くを自分のものにしてしまう人、そして相手に何かをしてあげたら、必ず何か見返りを求める人。これだけやってあげたのだからと、ずっと恩を着せたがる人……。
もちろん、両方の要素を併せ持つ人もいるけれど、人は必ずどちらかの性分を持って生きていると言われる。そういう意味で自分はどちらなのか、一度考えてみてほしい。
ただおそらくは、奪う人ほど自分が奪う側であることに気づいていない。先に述べた女性のように自分は与えてあげる側と言うふうに思い込んでいる人もいるはずなのだ。
ただ、与える人には、多分ハッキリわかっている。奪う人とは誰なのか? そして、与える人にできることは、奪う人に奪われないこと。与える人同士で与え合う、優しい社会にしていきたいから。

●相手は奪う人なのだときづくと、
混乱することも、傷つくこともなくなる

言い換えれば、世の中に与える人と奪う人しかいないと考えたら、奪う人との関わりがとても楽になるはず。そちら側の人なんだから 仕方がないと思えるからだ。
人付き合いに悩む人の多くは、相手の分析を冷静にできていない気がする。もちろん相手に非があるとわかっていても、原因が整理できていないことが多いのだ。その時、人間には2種類しかいなくって、相手はいわゆる奪う人なのだと思うと、混乱することもなく、そして傷つくこともなくなるはずだ。すべてを相手のせいにすることは避けたいから、反省すべきは反省して。でも与える人は、奪う人の仕業にはどう頑張っても叶わないとうことを知っておくべきなのだ。
だからできるなら、奪う人には関わらずに生きることが、上手な生き方の1つのことであることを、心に留めおきたい。奪う人に奪われず、その分、与える人に与えるために。

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Kaoru Saito

齋藤薫

美容ジャーナリスト
/エッセイスト

齋藤薫

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。