Kaoru Saito’s Column

FULLMOON

2023年10月 牡牛座の満月🌕

悪い事は続かない……
そう思える、決定的な理由

●運勢が良い日ほど、悪い予感?

例えば朝のテレビ番組で、「今日のあなたの運勢」などを見た時に、自分の星座が12星座中、第1位だったとする。私の場合、実はそういう時ほど、“嫌な予感”にさいなまれる。
もともとがいわゆる“霊合星人”。ご存知のように、霊合星人とは自分の運命星だけでなく、向かい合う運命星の運気の影響を大きく受けてしまう人。いやこの時点で、もう六占星術と西洋占星術がごっちゃになっているので、あまり意味は無いのだけれど、ともかく運勢がめちゃくちゃ良いと言われた時ほど、悪いことも起こりがちと思い、身を引き締めることが多いのである。

ただ、そこには自分なりの根拠がある。占い通りになると言っているわけではない。とても不思議なのだけれど、なんだか今の私、とってもいい感じ。心配事もあまりないし、嬉しいことの方が多い。私って結構幸せかも。私って結構正しいかも……なんて思った日、なぜかだいたい翌日に、信じられないくらい悪いことが起きたりする。
正直、これは今までの自分の人生に何度も何度もあったこと。本当に面白いくらいに、「今の私の人生いい感じ」と思ったとたんに、悪いことが起きるのだ。

いや、あまりにも同じことが起きるから、「いい感じ」と思うことが怖くなってきた。
そして、私は決して調子に乗ってはいけない運命なのだと自分に言い聞かせるようになった。割に良いことが続くと、うっかり調子に乗りそうになるのだけれど、まずいまずい、調子に乗ってはダメと自分に向かって言う。
気がつけばそういう癖がついていた。


●だから、むしろ些細なことに幸せを感じるように自分を仕向けた

でもその代わり、もっともっと日々の小さなことに幸せを感じるように自分を仕向けていった。良いことが続いた時ほど「自分は幸せ」と思わずに、本当に些細なこと、休みの日の朝、美しい日差しが窓から差し込んで来たことや、家で作る料理がレストランで食べるようにおいしかったりすること、ペットの犬がシャンプーカットの時、とっても良い子だったとペットショップの人に褒められた時など、それが自分にとっての幸せだと思うことにした。これならば調子に乗らない。自分は強運、なんて思わなくて済むからだ。

でもそこでもう一つ、気づいたことがある。良いことがあってそれに酔っていると、必ず悪いことが起きるように、悪いことがあっても、それ以上は続かない、「きっと良いことがある兆し」と考えることができるようになったのだ。すると本当に、事態が好転する、これもまた面白い位に。


●悪いことが起こるのには、意味がある、教えがある

ただ仮に、悪いことが続くような時は、もう一つ思い出したいことがある。「悪いことが起こるのには、意味がある」と考えること。今は最悪の事態であっても、それが将来、意外なことに役立ったりする、そういうことが少なくないからなのだ。

例えば、恋愛がいつもうまくいかなくて、自信を失っていたとしても、ある人と出会ってこんなふうに気がついた経験は無いだろうか。なるほど、この人と出会うために、今までの恋愛がことごとくうまくいかなかったのだと。

いやもっと重要なのは、何か失敗した時、誰かのせいにしないで、これは自分自身に対しての何らかの教えだと思うことなのだ。何を教えられているんだろう、自分は何をここで学ぶべきなのだろう、そういうふうに考えると、悪いことは悪いことではなくなり、もう悪い事は続かないのだ。

つまり、良いことが続かないのも、同じこと。調子に乗って、感謝の気持ちを忘れるから、悪いことが起きる。運勢は不可抗力ではない。むしろ自分自身の気持ちが引き寄せているものなのだ。
だから、良いことが続く時は、これは誰かが与えてくれているものと感謝し、有頂天にならない。悪いことが続く時は、これは何かの教えであると冷静に教えを乞うて、反省する。それができていれば、人生はきっとより良いものになる。間違いなく。
またそういうこともひっくるめて、やっぱり上の方から“誰か”が見ていて、コントロールしていると思うべきなのである。そういうふうに思うことで、人生はより良くなるのだから。

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Kaoru Saito

齋藤薫

美容ジャーナリスト
/エッセイスト

齋藤薫

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。