Kaoru Saito’s Column

FULLMOON

2023年12月 蟹座の満月🌕

ネガティブなことばかりが頭をよぎる……
そんな時、すぐ幸福感を取り戻す
3つの方法

●人の脳は1日に6万個も思考を巡らせている

頭に浮かんでは消えていく思考の数……… 1日にどのぐらいか、知っているだろうか? あくまで一般論として、1日6万個と言われている。確かにそう。本当に様々なことが雑多に頭に浮かび、次の瞬間に消えていく。それこそ、浮かんでは消え浮かんでは消えて、もう収拾がつかない位に頭の中をぐるぐるしているのが普通なのだ。
具体的には、あれはどこにしまったかしらとか、ああ来週までには美容室に行かなければといった、全く日常的なことから、そうだ、あの人に連絡しなきゃと、でもそういえばあの人にこの間、失礼なことを言われたっけ、あーあ今度の集まりはホントに憂鬱……といったふうに、連鎖的にどんどんネガティブな思考が生まれていってしまうようなことが多々あるはずなのだ。

とても単純に、自分自身が幸せか不幸せか、を何となくでも考える時、毎日毎日溢れてくる6万個の思考が、幸せな内容か、不幸せな内容か、 どちらが多いのかによって決まってくる部分もあると思う。
であるならば、いつもいつもポジティブなことを頭に描いていたいが、残念ながら、思考はどうしても悪い方悪い方へと傾きがち。

●幸せな気分が一瞬で不幸になる思考のいたずら

こんなことってないだろうか? さっきまで何となく幸せな気持ちだったのに、急に不幸感が押し寄せてきて、心の中で灯りが消えるほど、一気に暗い気持ちになるようなこと。
それはまさに思考のいたずらで、わざわざ今思い出さなくていい嫌なことをが突然脳に浮かび上がる。そして自分を不幸にしてしまう。脳は結局のところ1 日中そういうことを繰り返しているのだけれど、人間の業としてどうしてもネガティブな思考の方が多くなり、日によっても違うし個人差はもあるけれど7割位がネガティブな思考になりがちだと言うのだ。

だから覚えておきたいのが、悪い思考が浮かんだら、すかさず頭を空っぽにする方法。いわゆる「瞑想」もそのためにあるわけで、ともかく目を閉じてゆっくりと深呼吸をすること。吸った息が鼻を通っていき、お腹が膨らむ様子にまで意識して集中すると、それだけで頭が空っぽになっていく。これは「簡単瞑想」と呼べるもの。

それでもまた思考が浮かんでくるが、深呼吸しながらなるべく自分にとって良いことを思い出すように意識するのも手。そうやって自分の中に流れる空気を清々しいものに変えていく、それだけで人は幸福感に浸れるはずなのだ。

●お茶や、メロディで「簡単瞑想」

こうした“簡単瞑想”には他にもこんなアイディアがある。なんだか嫌なことばかり頭をよぎるなと思ったら、ゆったりとお茶を飲む。コーヒーでも紅茶でも、目を閉じて、五感の全てでお茶を味わうように意識すれば、頭はやっぱり空っぽになるはずで、しばらく空っぽにしたらおもむろに自分の好きなことを思い出す、それだけ。

そしてもう一つ、好きな音楽のメロディーを口ずさむのはどうだろう。よく朝聴いた音楽の同じフレーズがずっと頭の中をリフレインしていることがあるはずだが、これによって自ずと嫌な思考が生まれない。脳にはとても良いことなのだ。毎朝曲を決めてそのフレーズを1日中思い出すようにすれば、脳がみるみる健康になると言ってもいい。ぜひ試してみて欲しい。

幸せか、不幸せかなど、ほんのちょっとした気持ちの向きだけで変わるもの。そんなふうに自分の思考をコントロールできるようになると、人は本当に幸せな人生を生きられる。大げさではなくそうなのだ。

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Kaoru Saito

齋藤薫

美容ジャーナリスト
/エッセイスト

齋藤薫

美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。