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【第八回】肌のバリア機能の高め方と水分量の増やし方

 みなさん、こんにちは。アンチエイジングの鬼、勝田です。
 すっかりいい季節になりましたね。春から新生活をスタートされた方も、ぼちぼち慣れて落ち着いてきた頃でしょうか。
 今日は久しぶりに、スキンケアのお話に戻ろうと思います。そもそもなぜ私たちはスキンケアするのか考えてみたことはありますか?
 これは私の書籍にもよく書いていることですが、主な理由は以下だと考えています。

1,古い角質や、埃や汗、酸化した皮脂、メイクなどの汚れを洗顔で落とすため
2,良質なオイルや水分、うるおい物質で、バリア機能をアップさせるため
3,空調や外気による乾燥や大気汚染、紫外線、メイク用品から肌を保護するため
4,植物の抗酸化、抗炎症物質などの力を借りて、肌の自然治癒力を高めるため
5,時々優しくマッサージすることで、血液やリンパ液の循環をよくし、コラーゲンやエラスチンの生成を高めるため

 若い頃は皮脂が多く分泌されやすいので、毛穴に棲む皮脂大好きっ子アクネ菌様たちが増殖してニキビで悩むことも多いですが、年齢と共に皮脂の分泌は減っていき、水分量も減っていき、ターンオーバーが遅くなって角質が厚くなり、真皮は逆に薄くなります。真皮が薄くなることの怖さと、その防ぎ方は第六回でも書きましたね。

 スキンケアでまず大切なのは適切な洗顔でターンオーバーの後押しをしてあげることと、水分や皮脂を補うことで、肌のバリア機能を高めることなのです。

 肌のバリアは、表皮の一番上のわずか0.02㎜の角質層と、その上に薄くのっている皮脂膜で構成されており、皮脂膜は私たちが分泌する汗や皮脂が混ざり合って出来た天然のクリームです。

 肌バリアの重要な役割は、肌表面から異物が入ってこないようにすることと、体内の水分や肌の水分が蒸発しないように守ること、日常紫外線をある程度吸収したり、反射させたり、その時発生する活性酸素を角質の抗酸化酵素で無害化したり、そして結局は肌の本体である「真皮」を守るという働きも大きいです。真皮に傷がつくと、修復に時間がかかるので消えないシワやたるみが出来てきます。

 肌のバリアを構成している中の重要な物質は「脂質」です。皮脂も脂質ですが、角質にあるセラミドも脂質。これが少なくなると自然とバリアは薄くなりますし、脂質が減ると肌の水分を維持できなくて、水分量が減っていきます。そして水分量が少ない乾燥した肌もバリア機能が著しく落ちている状態なので悪循環です。

洗顔を見直そう

 肌のバリアを守るには、まずは適切な洗顔が大切です。メイクや日々の酸化した皮脂汚れを落とすためにも、ターンオーバーを後押ししてあげるためにも洗顔は必要ですが、これをやりすぎると、必要な脂質まで落としすぎてバリア機能が落ちていきます。

 乾燥肌を自覚している方は、まずは顔を洗いすぎていないか振り返ってみて下さい。やみくもにW洗顔していないですか?そしてW洗顔しないといられないほど、落ちにくいメイク用品を使っていないですか?

 一般的なメイク用品には、ほとんどすべてに「シリコーンオイル」が入っています。全成分名には「ジメチコン」とか「メチコン」とか「シクロメチコン」とか「~クロスポリマー」などの名称で書いていますので、チェックしてみて下さい。

 これは合成樹脂で、要するにプラスチック油なので車用のWAXの親戚のようなもので、とても落ちにくいです。

 ナチュラルオーガニックコスメには、まずこのような合成樹脂が入っておらず、代わりにオーガニックオイルが入っているので安心出来ますし、だから強いクレンジングなしでも落ちるのです。

 私がアムリターラというブランドを作ったのは、実はクレンジングを作りたかったことが一番の理由でした。肌のバリアを壊さず、でもちゃんとメイク汚れは落ちるようなものを作りたかった。

 クレンジングを作るには水と油を混ぜ合わせる「乳化剤」が必須なのですが、この機能を高めたものを「合成界面活性剤」と呼び、4000種類くらい開発されていますが、必要な脂質を奪いすぎるものが多いので、私はどうしてもこれを使いたくなくて……。

 だからマヨネーズを作るみたいに、皮脂膜にも含まれている「レシチン」という天然物質でクレンジングを作りました。いっさいバリアを壊さず、むしろ強化出来るようなクレンジングなので、乾燥肌だと思っていた方が、気づくと肌質が変わっていたという話をよく聞きます。

 その他、顔を洗う時に気をつけたいことは、お湯の温度は程よいぬるま湯であることと、ごしごし強く擦らないこと。洗顔後タオルを使う時も、こすらずに肌に優しく押し当てるように水分を吸い取って下さい。

 また、皮脂腺が多く角質が厚めのTゾーンとその他の部位は、同じ顔でも別物と考えて下さい。クレンジングクリームは目の周りや頬から伸ばして顔全体に広げますが、石鹸やスクラブなどの洗浄剤はTゾーン中心に使い、他の部位にはその残りをちょっと伸ばす程度にして洗い流すのがおすすめです。

「石鹸で落とせます」の罠

 メイクのインスタライブをやっていると、「石鹸で落とせますか」という質問が必ずあります。もちろんアムリターラのメイクアイテムは、当然石鹸でも落ちるのですが、これを聞くたびに複雑な心境になります。

 石鹸は5000年前からある世界最古の洗顔料ですし、水で薄まることですぐに乳化力が弱まり、肌の上ではpHが中和されてすぐマイルドになり、生分解性も高くて環境にも優しいことから、しっかり水を加えて泡立てて泡を優しく肌に伸ばすという使い方をすれば、肌バリアを奪うことはない安全な洗顔料です。

 ただし、石鹸はメイク落としには向いていません。もちろん石鹸は油汚れを落とす力もありますが、「メイクの油分や汚れとじっくりなじませて浮き上がらせる」という性質がないので、石鹸だけでメイクを落とそうと思うと、相当濃く石鹸を使わないといけなくなり、かえって肌の油分を奪いすぎてバリアを弱めてしまう場合があります。石鹸はメイクをしていない時や朝の洗顔用、クレンジングだけではさっぱりしない時のW洗顔、そして身体の洗浄に使うことに適していると思います。

肌の水分量を上げる

 バリア機能が正常な角質層には、水分が20~30%含まれていますが、これが20%以下になっていることを乾燥肌と呼びます。

 角質層はアップルパイのように10~20層が積み重なっていて、その隙間をセラミドや天然保湿因子(NMF)が埋めていることで水分の保持力が上がります。でも加齢でセラミドの分泌も減りますし、更に強いクレンジングなどを使っているとセラミドや皮脂を奪いすぎてしまい、肌の水分量も下がってきます。上記で書いたように、まずは適切な洗顔を心がけましょう。また、室内の空気が乾燥していると、肌の水分も奪われやすいので、冬は加湿器なども使うといいですね。

 その上で、肌の水分を化粧水で補充してあげることは、やはりスキンケアの大きな役割だと思います。

 しかし、例えば水だけをスプレーしたとしても、角質で維持できずに、それがかえって呼び水となり角質に元からある水分まで奪ってしまいます。

 化粧水には水を抱え込むことが出来るヒアルロン酸や海藻やきくらげなどに含まれる多糖類、水を呼び込めるグリセリン、NMFとして働けるアミノ酸などのうるおい成分が入っていることが大事です。

植物の中にある水分

 私は化粧水の水分に関しては、ただのお水ではなく植物の樹液や細胞水や植物蒸留水を使うと更に効果的であると考えています。(余談ですが、そもそも化粧品の成分は全成分表の最初に書いてあるものが一番多いわけなのですが、ここが化粧水なのに「水」と書いてあると「ほとんど水やん!」ってがっかりしちゃいます)

 例えば白樺樹液には17種類のアミノ酸が含まれ天然のNMFとして働きますし、リンゴ酸やコハク酸などの有機酸は自然なターンオーバーを促します。
マグネシウムや亜鉛などのミネラルやビタミンCなども含まれ、冬の間雪の中でも凍らないパワーを持ち、春に芽吹くためのエネルギーに満ちて溢れ出す樹液には、白樺樹液研究の第一人者で北海道大学名誉教授の寺沢実先生の研究によって、「スーパーオキサイド」という活性酸素を消去するSOD様酵素活性が認められていて、肌につけると水分補給だけではないエイジングケア作用があります。

 白樺樹液はアイヌ民族が「タッニワッカ」と呼んで古くから料理やスキンケアに使用していた伝承が残っています。私はアイヌの生き方がかなり詳しく描かれている「ゴールデンカムイ」という漫画が大好きなのですが、アイヌの少女アシㇼパさんが、怪我をした時に白樺樹液で皮膚を洗うと痛み止めと止血の効果があると語っていて、嬉しくなりました。
 アムリターラでも白樺樹液を薄めずに使用した化粧水が大人気なのですが、春先のたった2週間の間に木に小さな穴を開けて、そこに栓をつけてポタ、ポタと地道に春の恵みを頂きます。うちのスタッフもこの樹液採取の地元のチームに加わっています。


 この化粧水ほど私を驚かせてくれたものはないですね。
当初は樹液のすごさは知っていたものの、樹液とうるおい物質だけのシンプルな処方でしたし、ここまで人気の商品になるとは思っていなかったのですが、「助けられた」「これしか使えない」などお客様の声がすごくて、たちまち人気No.1に躍り出ました。

 ここにはリニューアル後に奇跡の林檎から採取した菌由来の「LPS」という成分も入れています。
LPSは内外通じて免疫細胞を活性化して免疫力を上げる成分なのですが、肌につけることで免疫細胞のマクロファージを活性化し、バリア機能向上、ターンオーバー正常化、肌荒れ改善、ハリや弾力の向上(コラーゲン・ヒアルロン酸産生)などの嬉しいエビデンスがあります。

 また植物の細胞内液と細胞外液を取り出す特別な蒸留器で熱をかけずに抽出した「植物細胞水」もとても面白くて、香りの成分とその植物の情報が含まれている「情報水」でもあり、エネルギーが高くて表面張力が低く、肌への浸透がとても良いです。
こちらも北海道大学とルース研究所篠原康幸氏により研究が進んでいます。
 植物の中にあるお水の可能性にワクワクが止まりません。
 
肌のバリア機能を高めるためには、まずは洗顔を見直すこと!
そして植物のパワーに満ちた化粧水で、角質の水分量を上げていきましょう!

著者:勝田小百合

1968年大阪府生まれ。カイロプラクターとして骨の歪みの矯正から、食事や生活指導も行う代替医療の治療家。30代からエイジレスな生き方の研究を始め、2005年に始めた「アンチエイジングの鬼」が超人気ブログとなる。2008年、国産オーガニックコスメ&フーズブランドの草分け「アムリターラ」を創業し、現在も代表と商品開発を兼務。

アンチエイジングの鬼 コスメキッチン出張所

株式会社AMRITARA代表 勝田小百合

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