「肌は、内臓の鏡」と言われる。であるならば「顔立ちは、心の鏡」、「人格の鏡」……そうなるのだろうか。なぜならば、心の向きがいつも上向きの人は、知らず知らず顔立ちも、上向きになり、心が後ろ向きな人は、やっぱり顔立ちも下向きになっていく。性格はいつの間にか顔立ちに張り付いていくからだ。
とりわけそれが顕著なのは笑顔の人。いつも基本的に笑顔の人は、笑顔が顔だちに張り付いている。“笑顔”顔とも言うべき顔立ちになっている。そうまさに“笑顔”顔の人っているもので、こういう人は、どうしたってみんなに愛される。他者の意識の中に、必ず笑顔が記憶されているからである。その人の存在を思い浮かべるとき、全ての人の心において100%の確率で、その人は笑顔で登場するからなのだ。
誰の記憶の中でも笑顔で生きている人って、直接会わなくても、遠くにいても、いつも人を心地よくさせている。その人のことを思い出しただけで、ちょっとホッとしたり、ふっと幸せを感じたり、久しぶりに会いたいと思うだけで何か心が暖かくなったり。人は人をイメージだけで、遠隔操作のように幸せにできると言うこと、忘れないでいて欲しい。人の印象は、一緒にいない時にも人の心を左右すると言うことがよくわかる話。
逆を言えば“笑顔”顔の人は、それだけで幸せ。イメージだけで人を幸せにできるなんて、それ自体素晴らしいこと。でもそれ以上に、笑顔はダイレクトにその人自身に幸せを引き込んでいる。言うまでもなく、笑うこと自体がナチュラルキラー細胞を活性化して、免疫力を高めることがよく知られているけれど、だからいろんな意味でトラブルが起きにくく、ダメージを受けにくい。健康だから、心も前向きになって、もっと笑顔が増えていく。“笑顔”顔の人には、そんなふうに身も心も肌も含めてプラスの要素がめくるめく良循環を生んでいて、ネガティブが入り込む要素がないのだ。それだけでも人は幸せ。本人が身も心も幸せだからこそ、周囲をも幸せに巻き込んで、そこでもまた幸せのスパイラルを生んでしまうのだ。“笑顔”顔の人はそういう意味で、自分自身も含めて幸せの求心力になりうる人。
キリゲリ……これは、コスメキッチンのディレクションテーマで「笑えば治る」といった意味を持つフランスの諺だとか。なんだか口に出して言いたくなる軽やかで楽しくて、しかもいい意味で耳に残る言葉。日本にも、“笑う門には福来たる”と言う言葉があるけれど、おそらく世界各国に同じような言い伝えがあるのだと思う。それは、医学的にも、心理的にも、そして人間関係においても、きちんと証明のできるゆるぎない法則だから。健康と美しさと、そして何より幸せを得るための、絶対の法則だからなのだ。とすれば、顔立ちは「心の鏡」のみならず、逆にまた「内臓の鏡」であり、「生き方の鏡」ともなってしまうのだろう。
だからこそ、笑顔が染み込んでいるような顔立ちで生きていきたい。それは人生が全方位でぐるりとプラスに転じる、たった1つの方法かもしれないのだから。キリゲリ、キリゲリ………キリゲリ! で、生きていきたい。