HOME > コスメキッチンジャーナル vol.19 Autumn Edition

Kaoru Saito's Column 綺麗な女の引き寄せ力

<第二章> Qui rit guerit

特別な力を持つ笑顔は、誰かの記憶の中でさえ、
人を幸せにしたり、勇気づけたりする

今、みんなのストレスがピークにある時代、あなたの場合はどうだろう。「私はそれほどでも……」という人もいるはずだけれど、でもそれ逆に、ストレスに麻痺しているサインだったりはしないだろうか?

意外だけれど、ストレスと言う言葉が盛んに使われるようになって、まだ30年も経っていない。女性が仕事を持ち、子育てと仕事を両立させるようになり、抱える問題の量も種類も半端ではなくなって、勢い悩みも激増したから、名前がついたようなもの、肌のトラブルや体の変化に現れると「それがストレスと言うものなのですよ」と言われる。そうなんだ、これがストレスなんだ、とよく解らないままに納得させらたりして。しかも、ストレスの正体も対処法も、なかなか明らかにならなかった。ストレスホルモン、コルチゾールが生まれ、これが過剰分泌すると、代謝が悪くなったり免疫力が低下したり、と大まかな仕組みはわかってきたが、じゃあどうすればストレスに勝てるのか。どうすればストレスを肌の衰えや体の不調に変えずにすむのか。そういうことは、結局曖昧なままだった。

1つ明らかになったのは、ストレスは繰り返させてはいけないこと。ストレスは誰にでも生まれる。一生懸命生きている人ほど、たくさんのストレスに見舞われる。でもきっと暇なら暇でストレスは生まれる。だから、生まないことより、同じストレスを繰り返さないこと。繰り返すことで、ストレス自体に麻痺し、ストレスホルモンが過剰分泌してしまうから。

実は多くのアンケートでストレス原因の一位になるのが、職場での人間関係であったりする。でも、ひょっとしてあなたも、仕事だから仕方のないことと、そのストレス自体に慣れてしまおうとしていないだろうか?確かに、毎日同じストレスを受けると、次第に感じなくなっていく。1つの麻痺なのだろうけれど、それが1番いけないのだ。でも繰り返さないで、と言っても、一体どうやって? 生活を変えることができない人はどうするの?

そう、だから笑うのだ。笑うと不思議に人を許せる。辛さも怒りも悔しさも、必ず和らぐ。だからこそ、笑う。いつも笑顔。何もなくても笑顔。口角を上げるだけでもいい。笑顔の数だけ心が前向きになり、笑うそばから、ストレスの数が減る。幸福ホルモンや快楽ホルモンが増えてきて、増えすぎたコルチゾールも減らしてくれるのだから。

あるいはまた深呼吸する。鼻から大きく吸ってゆっくり吐き出す。4秒で吸って、8秒で吐くのがコツ。それだけでもストレスホルモンはが減っていくと言われる。「口角を上げて、深呼吸」なんて、座ったままいつでもどこでもできてしまう。私たち、今まで大げさに考えすぎたのではないだろうか。ストレスに勝つなんて、こんなに簡単だったのに。

もう一度繰り返すけれど、一生懸命に真摯に生きている人ほどストレスが多い。でもその分、笑って深く呼吸すれば、一生懸命がそのままそっくり輝きに変わるのだ。だから忙しい人ほど、笑って笑って。笑う人めがけて、幸せはやってくる………コスキチが標榜する“キリゲリ”の精神こそ、ストレスピークの時代を生き抜く最大のカギだって、早く気づいて欲しいのである。

齋藤薫美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。最新刊は初めての男モノ『されど、男は愛おしい』(講談社)。また『“一生美人”力人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など多数。

Feel nature Choose sustainability 〜自然を感じ、持続可能なライフスタイルを〜

この便利な世の中の文化を維持・進化させるために、
自然界に学び、共存共栄できるような暮らし方、
自然に負担を掛けない有機的なライフスタイルを提案していくという意味でのFeel Nature。
Sustainabilityとは持続可能性。つまり、環境や社会にやさしいということ。
未来もずっと、現在のような環境下で人類が地球上で生活し地球上のすべての人が
できるだけ平等に社会的恩恵を受けられることを願っています。