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みなさん、こんにちは。アンチエイジングの鬼、勝田です。
早いもので連載5回目となりました。
前回は光老化について書きました。お肌の老化の8割は光によってもたらされることが分かっているので、これに関しては気にしすぎても、しすぎるということはないのです。ただ、人間の老化が進むのは、もちろん光だけが原因ではありません。
エイジング全般に関わるのが、今日のテーマ「睡眠の質」と「血流」です。
ちゃんと良い睡眠がとれていると細胞の生まれ変わりも万全となり、成長ホルモンの分泌も良くなり、お肌のターンオーバーを促して、肌のごわつきやザラザラもなくなりツルツルに。そして肌荒れや紫外線などのダメージからの回復力も上がります。さらに、コラーゲンやヒアルロン酸などの生成も健全になり、自然とハリや艶のある美肌に導かれま す。 また、血流が良いことはアンチエイジングの基本。なんと体重の13分の1は血液で、四六時中全身を駆け巡り、私たちの根幹をなす60兆個の細胞に栄養と水分と酸素を与えたり、老廃物を回収してくれています。血流が悪いと栄養不足、酸素不足で毒素が溜まり、不健康で老いが進みやすくなってしまうのです。血流が良いと肌のターンオーバーも健全になり、ハリ、弾力、肌色の改善、肌トラブルの軽減、そしてアンチエイジングが叶えられます。
厚生労働省が令和元年に実施した調査によれば、「睡眠で休養がとれている」と感じる方の割合は30.9%で、「日中、眠気を感じた(34.8%)」「睡眠全体の質に満足できなかった(21.8%)」など、調査された日本人全体の7割近い方が「睡眠の質」に関するなんらかの悩みを抱えていました。
令和元年国民健康・栄養調査報告より「睡眠の質についてこの1ヶ月間に,次のようなことが週3回以上ありましたか?」(複数回答のため,内訳合計が100%にならない。)chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/001066903.pdf

また、経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査によると、日本人の平均睡眠時間は7時間22分で、加盟33か国中で最下位でした。令和4年(2022年)に行った厚生労働省の調査では、6時間未満の人が、男性は37%、女性は39.9%。睡眠で休養が十分にとれていない人の割合が多く、睡眠の質以外に、そもそも睡眠時間にも課題があることが分かっています。

令和4年国民健康・栄養調査報告より 1日の平均睡眠時間「問:ここ1ヶ月間、あなたの1日の平均睡眠時間はどのくらいでしたか。」
私はアラ還なので更年期以降、睡眠の質はあきらかに下がりました。逆に言うと私の更年期症状はそれだけとも言えるので、おそらくすごく軽いほうなんだとは思いますが、アンチエイジングの鬼的には由々しき事態なので、症状が出てからというもの、あらゆることを試しております。
睡眠の質には女性ホルモンの減少やそのバランスの悪さによる自律神経の乱れだけでなく、いろいろなホルモンの働きが密接に関わっているのですが、直接的に関わるのはセロトニンとメラトニン。あとはGABAなどです。
ホルモン全般に一番大事なのは「生活リズム」。生活リズムを自然なものにして時計遺伝子が整うと、すべてのホルモン分泌が良くなる傾向にあります。
睡眠に直接関わるメラトニンというホルモンは、セロトニンを原料に作られます。
セロトニンの正常な分泌のためには、起きあがったらすぐにカーテンを開けて「サンゲージング」すること。サンゲージングとはヨガの技法で早朝や夕方など、光が柔らかい時間帯に太陽を見つめて、セロトニン分泌を活性化する方法です。太陽を直視すると眼を痛める危険性があるので、目を閉じた状態で瞼に光が当たっていればOK。こうすることで、脳内ホルモンのセロトニンのスイッチが入ります。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、心を穏やかにさせ、興奮を沈めてくれるホルモン。うつ病の予防や改善にも良いホルモンです。
そして昼間にこのセロトニンが十分分泌されていると、これを原料に、夜には睡眠ホルモン「メラトニン」が脳から分泌されます。メラトニンは、睡眠の質を上げるだけでなく、抗酸化作用も高く、卵巣のアンチエイジング効果もあるとされています。女性ホルモンを分泌しているのは卵巣ですから、その意味でも重要ですね!
そして、職場や学校に移動する時は、早足でリズミカルに歩くことで、セロトニンの分泌がより高まります。

夜になると昼間作られたセロトニンを原料に、睡眠ホルモンのメラトニンが作られていきます。起きた時間から約15時間後、例えば朝7時に起きたとしたら夜の10時にはメラトニンが分泌され始めます。
メラトニンは驚くほど光に敏感なので、メラトニン分泌タイムの2時間くらい前、要するに起きた時間の13時間後くらいからは明るい光を浴びるのは厳禁です。この場合スマホは夜の8時にはブルーライトカットモードにして照明自体も弱めます。部屋の照明はすべて間接照明にして夜間のコンビニにはなるべく行かないこと。コンビニの照明は1000ルクス以上あり、夜にあの光を浴びるとメラトニン分泌に支障をきたすと言われています。

自律神経のバランスというのは、絶対に良き睡眠には欠かせません。自律神経とは私たちの意思や脳の命令とは関係なく、消化、吸収、排泄、体温調節など片時も休まず働いてくれる神経のことです。
自律神経には2種あって、交感神経は主に活動や運動を担当し、血管を収縮させるので血行を抑制し、そのため血圧や心拍数を上げ、食欲を抑制します。副交感神経は休息や栄養補給を担当している神経で、血管を拡張することで体温を上げ、血圧や心拍数を下げ、胃腸の働きを活発にします。この2つがどんな瞬間もバランスを取りながら働くことで、私達の身体は維持されているので、どっちかが悪とか善とかいう話ではなく、両方大切で適切な時にちゃんと働いてくれることが大事です。
気温が上がると交感神経を優位にして血管を収縮して体温を下げ、寒くなると副交感神経を優位にして血管を拡張して体温を上げます。夏になると食欲が落ちるのは体温調節のために交感神経が優位になり、食欲を抑制するからなんです。面白いですよね。
もっと言うと免疫細胞の中の「顆粒球」は交感神経優位の時に働きやすく、「リンパ球」は副交感神経優位の時に働きやすいのですが、顆粒球が過剰になると炎症が起きやすく、リンパ球が過剰になると身体がだるくなったり、持病の痛みや腫れや、咳などのアレルギー症状が出やすくなります。同時に晴れの日は交感神経が優位になりやすく、雨の日は副交感神経が優位になりやすいということも覚えておくと、なぜ雨の日に体がだるくなったり痛みが出やすいのか、なぜ晴れの日には「○○炎」というのを発症しやすいのかが分かってきます。
朝起きてから日中は交感神経が優位となって元気に活動して、夕方からは副交感神経がだんだんと優位になり、睡眠中は心身をリラックスさせて休息と回復を促しますが、自律神経のバランスが乱れて、交感神経が優位になると夜になっても副交感神経が優位になりづらく、スムーズに眠りにつけず、睡眠の質が落ちる可能性があります。
寝起きが悪い人は、朝に熱めのシャワーを浴びることで体温が上がり、交感神経のスイッチが入ってすっきりと活動モードに入れます。また、午前中のコーヒーはカフェインによって副腎を刺激して「ノルアドレナリン」というホルモンを放出させ、交感神経が優位となり活動のスイッチがオンになります。ただし午後のコーヒーは遅くても14時まで。そしてコーヒーは1日3杯まで。これを過ぎると睡眠に影響が出る可能性があります。
また、日中仕事や勉強をバリバリこなすには、短期集中型のプレッシャーホルモンとも言える「ノルアドレナリン」や闘争ホルモン「アドレナリン」などの交感神経系ホルモンの分泌が欠かせません。ただ、ストレス過多でこれらのホルモンがいつも過剰に分泌しているような状態だと、副腎からストレスホルモン「コルチゾール」も分泌されます。コルチゾールはストレスに打ち勝つための大事なホルモンなのですが、慢性的なストレスで毎日過剰に分泌され続けていると、肌荒れや肥満、アレルギー、月経異常、認知機能低下、やる気低下、うつなどを招きやすくなるだけでなく、もちろん睡眠の質も低下します。コルチゾールは「老けホルモン」、「死のホルモン」とも呼ばれるアンチエイジングの敵なので、過剰分泌には注意したいところです。
コルチゾールは副腎でコレステロールを水酸化して作られますが、この水酸化の過程でビタミンCが必要になります。だから副腎にはビタミンCが血中濃度の150倍も含まれており、ストレスフルであればあるほどビタミンCが使われるので、足りなくなっている可能性があります。ビタミンCがないと美肌に欠かせないコラーゲンも作られませんから、ストレス過多だと自覚のある人はビタミンCは欠かさず摂るようにしましょう。
GABAというホルモンは脳内でグルタミン酸から生成されていますが、ノルアドレナリンの分泌を抑制し交感神経の興奮を抑えることで、リラックス効果をもたらします。興奮やイライラ感を抑え穏やかにしてくれるのです。またGABAはセロトニンの脳内への取り込みを助け、睡眠の質を高める効果があります。
GABAは食べ物では、トマト、発芽玄米、メロン、漬物やキムチ、じゃがいも、大豆もやしなどに含まれていますが、サプリメントで摂るのも確実です。
他には、例えばレモンバーベナというハーブには、GABAの受容体の感受性を高めることで、GABAを働きやすくします。効果的に交感神経を鎮静させるので、リラックス効果や睡眠の質改善に効果的です。また、ラフマ葉に含まれる、「ヒペロシド」と「イソクエルシトリン」は、セロトニンを増やすことで睡眠の質を向上させる効果があります。
また、自律神経は基本的には人の意思ではコントロール出来ませんが、呼吸法を意図的に行うことで調整出来ます。息を吸うと交感神経を優位にし、息を吐くと副交感神経が優位になるので、ストレス過多で交感神経が優位だと感じる時は、短めに吸って出来るだけ長く吐くのを3分ほど繰り返します。逆に雨の日など体がだるくてやる気が起きない時は、短く吸って短く吐くというのを1分ほど繰り返してみて下さい。寝る前などは息を長く吐く呼吸法が絶対良いです。
さて、睡眠の質を整えたら、今度は「血流」を良くしたいですね。血流が悪いと栄養不足、酸素不足で毒素が溜まり、不健康でエイジングが進みやすくなります。
食事やサプリメントでいくら良いものを摂っても、血流が悪ければそれを体のあらゆる箇所に運ぶことすら出来ず効率が悪くなってしまいますし、老廃物も回収出来ないので肌荒れもしやすく、代謝が落ちて脂肪も燃焼しづらいので太りやすくもなります。
そして血液は、体内で作られた「熱」を全身に伝える役割も担っているため、血流が悪くなると体に冷えを感じやすくなります。
そもそも体の「熱」はどうやって作られているかというと「代謝」が行われる時にセットで「熱エネルギー」が発生しているのです。一番多く熱エネルギーを作り出す代謝は基礎代謝で60%~70%。基礎代謝とは心臓を動かしたり、内臓を動かしたり、筋肉を維持したり、呼吸をしたりという意識しないでも行ってる最低限必要な体の機能を維持するための代謝です。そして意図的に体を動かしたり、運動したりする生活活動代謝が20%~30%。残り10%ほどが食べ物を食べて消化して吸収したりする代謝です。
男性に比べて女性のほうが冷え性が多いのは、基礎代謝の中で25%を占める筋肉が男性に比べて少ない上に、いったん冷えると温まりにくい脂肪が多いということが原因だと考えられます。
ストレス過剰なせいで自律神経の交感神経が優位になっている人も、男女問わず血管は収縮しやすく、手足など末端が冷えやすくなります。まずは息を深く吐いて下さい。
ところで交感神経は活動のための神経なのに、なぜ血管を収縮させるのか不思議に思いませんか?これは、血管を収縮させることで血圧を上昇させ、体の活動に必要な血液を必要な場所に集中させるためなのです。だから上半身はカッカしているのに手足が冷たいというようなアンバランスなことが起こります。
理想の平熱は36.6℃~37.2℃だと言われていますので、平熱が36℃以下の人は「低体温」と呼ばれ、血流が悪いのは間違いありません。免疫細胞の白血球が正常に働ける体温は36.5℃で、そこから体温が1℃上がると約5倍も免疫力が上がり、逆に1℃下がると免疫力が約30%も下がると言われており、これはウイルス疾患や炎症、発がん、自律神経失調症や肥満やアレルギーなどにも関わります。
また血流が悪いとどうしてもむくみやすくなりますが、それはいったいどうしてなのでしょうか? 通常、血液は心臓から全身に送られ、再び心臓に戻る際に、血管内の水分は再吸収されます。ところが血流が悪いと、血管内の圧力が上昇し、水分が血管外の組織に溜まってしまい、それがむくみの原因になるのです。
そして血流と睡眠の質も密接に関連しており、質の高い睡眠は血流を促進しますが、睡眠不足は血管の健康を損なう可能性があります。

アムリターラのインスタグラムで行ったアンケートでも、「冷え」は79%、「むくみ」は85%の方が「とても感じる」もしくは「感じる」との回答がありました。
これはもはや、ほとんどの日本女性の悩みと言っていいかもしれません。
冷えやむくみがなく血流が良いことは、美容にも最高。血流が良いと肌のターンオーバーも健全になり、ハリ、弾力、肌色の改善、肌トラブルの軽減、そしてアンチエイジングが叶えられます。
血流を良くすることは大切ですが、その前に血管壁を丈夫にすることや、全身に張り巡らされた毛細血管を増やすこともとても大事です。
大事な動脈と静脈をつなぐ形で全身に張り巡らされている細い血管が毛細血管で、なんと髪の毛の10分の1くらいの細さですが、実は全身の血管の99%が毛細血管で、全部つなぐとなんと地球2周半分もあると言われています。
美しい血管にするためには、まずは血管を弱らせるような生活習慣をやめることが大切です。血管は硬く、狭く、詰まりやすくなるということが一番よくありません。血管を弱らせる悪習慣としては、糖質過多、動物脂肪やトランス脂肪酸過多、塩分過多、添加物や残留農薬、ストレス過多などがあります。
血管は、内側の内皮細胞と外側の壁細胞がしっかり接着しているのが、正常で安定した状態ですが、加齢でここの接着がもろくなり、隙間が出来ると老化した血管になります。これをくっつける「接着剤」とも言えるのがTie2(タイツー)という成分です。ヒハツという長コショウに含まれる「ピペリン」という成分はTie2を活性化させることが期待されています。
また、ピペリンには冷えた手の末梢血流の低下を軽減させる効果や夕方の足のむくみを軽減する効果も認められています。

20 ~64歳の健康な日本人女性30名を対象にヒハツ由来ピペリン類120μg含有カプセルを摂取することにより、ヒハツ由来ピペリン類非摂取と比較して、冷水負荷により低下した血流(末梢血流)を正常に整え、冷えによる末梢(手)の皮膚表面温度の低下に関して軽減効果が認められました。
出典 :Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)2018;46:219-225 掲載の臨床データに基づき作成

20 歳以上の下肢のむくみを自覚している健康な日本人女性36名を対象として、ヒハツ由来ピペリン類120μgを摂取することで、ヒハツ由来ピペリン類非摂取と比較して、座位負荷6時間後の細胞外水分比の上昇を有意に抑制し、一過性の脚のむくみを軽減する効果が認められました。
出典:Jpn Pharmacol Ther(薬理と治療)2020; 48(3): 401–407. 掲載の臨床データに基づき作成。
血液の流れを悪くする生活習慣は、乱れた食生活で血中に糖質や脂質が増えると、赤血球同士がくっついて流れが悪くなること、添加物や残留農薬、塩分、ストレス過多により血管が傷つき、そこを修復するために、血小板が集まって停滞すること、そして不規則な生活やストレスなどで自律神経が乱れることだと考えています。こういった生活を少しでも見直してみることが、まずは重要です。
血流UPによいと私が考える栄養素や食品としては、他にはオメガ3脂肪酸(DHA、EPA)。魚介類に多く含まれているDHAは血管の弾力性を高め、赤血球の柔軟性を向上させる効果があるし、EPAには血液サラサラの効果があります。
梅肉エキスに含まれる「ムメフラール」という成分は、細い血管でも赤血球が形を変えてスムーズ通ることが出来る「赤血球変形能」を促進して血流をUPさせます。また、生姜には「ジンゲロール」、「ショウガオール」が多く、血管を広げて血流を良くしてくれます。ジンゲロールは手足の末端血流を良くし、ショウガオールは深部の熱生産を促す働きがあります。
さて、話は少し変わって……。
CKラバー世代には、高血圧に悩む方はまだあまりいないかもしれませんが、高齢のご家族の中にはいらっしゃるかもしれません。血圧というのは心臓から送り出される血液が血管の壁を押す力のことです。心臓が収縮して血液を送り出すときの圧力を「収縮期血圧」(最高血圧)、心臓が拡張して血液が戻ってくるときの圧力を「拡張期血圧」(最低血圧)と呼びます。現在140/90 mmHg以上の場合は高血圧と診断され、医療機関では降圧剤を処方されることが多いようです。
ただ、高血圧と診断された方の約90%は、原因が特定できない「本態性高血圧」であると言われていますので、血圧が上がっている理由は人によって本当にさまざまです。食生活、肥満、運動不足、ストレス、塩分の過剰摂取、動脈硬化、またはそれらの複合などいろいろな要因があります。
いろいろな要因があるにも関わらず、そこはいったん置いて降圧剤を処方され、血管の拡張、心臓の働きを弱める、尿量を増やす、自律神経に作用する、血圧を上げる物質を抑制するなどの仕組みでとにかく血圧を下げます。高血圧によって引き起こされるかもしれない動脈硬化や脳卒中、心臓病、腎臓病リスクはもちろんあるので、多くの方は薬を飲まれているのだと思います。
硬くなって柔軟性を失った血管は広がりにくいし、狭くなった血管は流れにくいです。例えて言うと新品のゴムホースとくたびれたゴムホースでは水の流れ方が違うのは当たり前なので、そこをなんとか頑張って流そうと、年齢に応じて血圧が上がるのは、ある程度は普通のことです。体の隅々に血液を届けないと細胞に栄養や酸素を与えられないし、老廃物を回収出来ないので、血圧は必要があって上がっています。
それなのに根本原因を見ないで、血圧だけをただ下げることも、私は怖いなと思っています。血圧を下げて首から上に血液が届きにくくなると、認知症などの別のリスクが高まる可能性を指摘する医師や薬剤師もいます。本態性の高血圧と言われたら投薬だけで安心してしまわないで、食生活や栄養素、運動など、生活習慣を見直してみることも大切ではないかと思っています。
最後に……。簡単で物理的な効果ですが、お風呂の作用はやはり絶大です。温かいお湯に入ると、まずは物理的に体温が上がり、血管が広がり血流が促進されます。
また水圧によって全身に負荷がかかって、お風呂から出るとそれから解放されることで、末梢まで一気に血液が流れ、全身の血行が良くなる効果があり、足のむくみなどに特に良いとされています。
ぬるめのお湯への入浴には自律神経の副交感神経を優位にするリラックス作用がありますし、熱めのお湯にはヒートショックプロテインというアンチエイジングに良いたんぱく質を増やす作用があります。
そして水風呂とあつ湯との温冷交互浴には、末梢血管のストレッチにより血流を促して疲労物質が体外に排泄されやすくなる疲労回復効果がありますし、自律神経を整える作用があるので、アレルギー体質の方などの体質改善につながります。(極端なあつ湯や温冷交互浴は、高齢の方、血圧や血管に問題のある方、心臓の弱い方は避けてください)
また、寝る2時間前くらいに38℃~40℃くらいの、ぬるめのお風呂に入っておくと、睡眠の質も良くなります。入浴で一時的に体温を上げることで、約2時間かけて徐々に下がるのですが、人間は就寝時に体温が下がることで自然な眠気が誘発されるので、寝たい時間にちょうど眠くなるわけです。
入浴する時には必ず「ヒマラヤ岩塩」を入れるのが「鬼流」で、実はこれを25年くらい続けています。3億8千万年前の海の化石とも言える濃い紫色の岩塩なのですが、イオン化した硫黄が皮膚から浸透して血管を広げてくれて血流が良くなるし、水道水の塩素も軽減し、塩の効果で湯冷めしにくくもなる点も気に入っています。
今日はエイジング全般に関わる「睡眠の質」と「血流」について鬼的徹底解説しました。
良い睡眠がとれて、すっきり目覚めると、お肌も体調も健やか。そして全身に栄養と酸素を届け、老廃物を回収するためにも、血流が良いことはビューティエイジングの基本です!
1968年大阪府生まれ。カイロプラクターとして骨の歪みの矯正から、食事や生活指導も行う代替医療の治療家。30代からエイジレスな生き方の研究を始め、2005年に始めた「アンチエイジングの鬼」が超人気ブログとなる。2008年、国産オーガニックコスメ&フーズブランドの草分け「アムリターラ」を創業し、現在も代表と商品開発を兼務。

アンチエイジングの鬼 コスメキッチン出張所
株式会社AMRITARA代表 勝田小百合