HOME > コスメキッチンジャーナル vol.33 Spring Edition
ー 第2章 ー
動き出さなければ、傷つくこともない。
でもそれでは希望も生まれない。
人生は輝かない。
大失恋したり、致命的な失敗をしたり、一番大切なものを失ってしまったり……言うならば、激しい失望感に襲われた時、あなたはどうするのだろう。何もする気が起こらず、部屋に閉じこもる人。食事もそこそこに、ベッドに潜り込む人。いや今は、そういうダメージを生みたくないから、元々危険は犯さないと言う人が少なくないのだろう。最初から傷つくような恋はしない、最初から失敗を伴うことは始めない、失って辛いようなものはなるべく持たない……そんなふうに臆病になって動き出さなくなってしまった人が。
動き出さなければ傷つくこともないのは確か。でも本当にそれでいいのだろうか?扉を閉めてジッとしていれば、 確かに失望はないけれど、 代わりに希望も生まれてこない。人生は輝かない。それはあまりにも大きな損失なのではないか。
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小説でも映画でも、主人公がいてストーリーがあるものは、必ず失望があり、でも必ず希望がある。そしてその分だけ感動がある。それらがないとドラマにならないし、物語として人を惹きつける力を持てないからである。
例えば、とても多くの人が見た「愛の不時着」でも、ヒロインがパラグライダーに乗らなければ、何事も起きなかった。風に流されて北朝鮮に不時着し絶望の淵に立たされることもなかった。でもだから愛を知り、それまで感じたこともない生の希望を抱くようになる。でも、そこは北。いかなる愛も許されず、愛する分だけ失望が生まれ、でもまた希望を生み、というふうに、寄せては返す波の如く失望と希望が交互に現れ、そのたびにどんどん感動が深まっていく。人生はまさに、失望と希望と感動でできていることを思い知らされるのだ。やがては、ドラマのない人生を送るのはあまりに味気ないという気がしてくるはずだ。そもそも失望が失望のまま終わる事はありえない。時薬(時が解決してくれるという心の癒し方)も手伝って、どこかで必ず希望が生まれる。 だから、恐れずに行動を起こしたいのである。
ただ、希望にもまた行動が必要。希望はとてもポジティブな感情だけれど、喜びや快楽などのポジティブさと決定的に違うのは、それこそマイナスから這い上がる時に必要だから、大きなエネルギーがいる。つまり心で描くだけではダメ。心の中で「希望、希望」といくら唱えても、希望は生まれてこない。何らかのムーブ、具体的な行動が伴ってはじめて、希望がオンになるのだ。もう立ち上がれないほど落ち込んでいても、なお立ち上がる力に希望は宿るのだから。
その時、具体的な目的や夢につかまって立ち上がれば、難なく立ち上がれるが、それもなるべく身近な、今すぐにでも実現可能な目的であること。例えば、身も心も冷えているからジンジャーティーを作って、自分を温めてあげたい。そういう目的につかまってソファから立ち上がる。それができたら、次は新しい服を買いに出かけたくなる。またそれができたら、しばらく会っていなかった友達に会いたくなる。そうやって階段を上るように少しずつ少しずつ、目的のハードル上げていってみてほしい。
その時もう一つの決め手が、じつは「筋肉」。とても単純に、立ち上がる時の気力を作るのは筋肉だから。不思議なことに、ちゃんと筋肉をつけておくと、希望が生まれやすい。まさに、心と体の両方で作るものだからである。立ち上がる力そのものが希望になるからである。
そういう意味でも、じっとしていてはいけない。体を動かして、行動して、立ち上がる、そういうクセが傷ついても傷ついても立ち上がれる心と体を作っていく。だからまた生き生きと行動できる……その好循環が人生に感動を呼び込み、ドラマチックな人生を作って、 人を輝かせるのだから。
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